オージーの美術

アボリジニの美術について

アボリジニの芸術作品は、元来祭礼や儀式のときに踊り手の体や、岩壁、大地に描かれた。彼らにとって芸術作品は、創生や人類、動物などあらゆるものの誕生、また現に生きている個人の誕生をはじめ、社会の倫理やおきてなどすべてにまつわるアボリジニの世界観や社会観、それらを伝え、教えるための手段だったのである。しかし一見「抽象画」のように見えながらも、アボリジニにとっては全く具体的な内容を有する説話画のように機能するそれらの作品は、抽象画が一般性を獲得した20世紀後半になって、単なる民族学的な観点からではなく純粋に芸術表現の観点から見直されるようになって来た。漸新な構成と色彩感覚を持つアボリジニの作品は、ヨーロッパからもたらされた現代的な素材や技法と結び付き、新たな現代の美術表現と見なされるようになったのである。

伝統的な樹皮画や点描画を概観しつつ、アボリジニの芸術表現、視覚芸術についての全体像やそのリアリティに目を向けると、その根底に歴史的・地域的多様性と形式や主題、個々の表現の多様性が存在することが分かる。ヨーロッパ文化の影響を受けた現代のアボリジニ芸術は、その結果、複数の民族と文化の調和的統合を目指す実験国家オーストラリアがまさに直面している課題を象徴的に示すものとなっている。この展覧会に展示された作品は、多様性を測るパラダイム、クロス・ロード(十字路)として、世界の構造的変動と異種文化の共存・融合のただ中におかれている私たちに、極めて同時代的かつ刺激的な問題を提起する。

こんな感じ。点描の技法を使っている。

こんな感じ(仮) こんな感じ(笑)
オーストラリア文化
メニュー
水、その他
観光案内
イベント
テーマパーク
世界遺産
美術
オーストラリアの歴史