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1.白瀬さんの発表『ユダヤ教と、それに伴う宗教紛争』
@宗教とは何か
その定義は、たくさんの人が定義していて、その定義している人の数だけ定義があるが、結局「神に対する人間の関係」と定義づけることができる。
Aユダヤ教の歴史と特徴
BC2000 遊牧民のアブラハムが神のお告げを受けカナン(現パレスチナ)へ移住
アブラハムの孫がヤコブの時代に飢饉でエジプトへ。
出エジプト モーゼが神のお告げを受け、ユダヤ教徒がずっと幸せでいられるとした場所、現イスラエルへ移住
BC1000 イスラエル王国を建国。
3代目ソロモン王の死後、北はイスラエル王国、南はユダ王国となるが、前者はアッシリアに滅ぼされ、後者は新バビロニアによる「バビロン捕囚」があったため、この後2000年以上ユダヤ人たちは自分達の国を持たない、離散の民となる。
0 ローマ支配の時代に、ナザレでイエスが誕生
ユダヤ人たちも初めは、イエスはメシア=救世主だとしていた。しかし、ユダヤ人にとってのメシアは、自分たちを征服した人々から解放し、自分達だけの国を建国させてくれる軍事的な人物だと思っていたが、実際イエスはそのような人間ではなかった。またイエスは自分のことを「神の子」としていたが、もしも本当にイエスが神の子であったなら、神が二人存在することになってしまう。これでは、唯一神とするユダヤ教と合わないことになる。そのため、イエスを偽メシアとし、ユダヤ人がイエスを処刑台に追いやった。
B特徴
・ 選民思想:ユダヤ人の母から生まれたもの(母系の血を大事にする)と、ラビの下で改宗したもの。
・ 経典:独自の聖典、タルムード、旧約聖書(イスラム教・キリスト教・ユダヤ教に共通する経典)
・ 唯一神:ヤーウェ
・ 律法に忠実な戒律宗教…アメリカには多くのユダヤ人がいるが、アメリカではそんなに厳しくない。イスラエルではかなり厳しい。
・ 聖地:エルサレム(イスラム教・キリスト教・ユダヤ教ともに同じ)
Cホロコースト:元はユダヤ教の祭りで使う用語で「犠牲を捧げる」という意味だったが、現在ではナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺を指す言葉。
ホロコーストの背景は、大義名分としては、アーリア人種としてのゲルマン民族の純潔を守るためとされた。が、実際はドイツの中を優秀なドイツ人のみにするために、ユダヤ人だけでなく障害者もまた別の施設へと連行していた。裏の原因として、イエスを裏切ったユダヤ民族に対する差別意識、国民としての義務は果たすが(納税など)同化しないユダヤ人への違和感、貧しい中金融業により裕福となった人の多いユダヤ人への妬みなどが挙げられる。
Dユダヤ教に対してローマ教皇は2度公の立場から懺悔している。
1964年 「ユダヤ教=キリスト殺し」説→真犯人はローマ帝国
2000年3月 ホロコーストの際のカトリックの傍観
ローマ教皇は2度とも「謝罪」ではなく、「懺悔」という形をとっている。実際「ユダヤ教=キリスト殺し」説は、ユダヤ教離れを促進するキャンペーンのようなものだったが、聖書には「キリスト殺し」だとなっているため、もしも「謝罪」をしてしまったら、聖書の誤りを認めることになる。そのため、謝罪できないでいる。
Eパレスチナ問題
第二次大戦後、国際連合の許可の元、イスラエルが建国されるがそれに伴い、イスラエルへのユダヤ人の大量移住がはじまり、そのため先住していた約100万のパレスチナ人が難民となる。
2磯部さんの発表『「包む」食べ物』
@世界の「包む」食べ物
・ 日本…おにぎり、お好み焼き、寿司、まんじゅう
・ 中国…餃子、春巻、シュウマイ、ワンタン、肉まんなど点心と呼ばれるもの
・ 韓国…サム料理 サム=包む 例)焼肉を野菜で包んで食べるなど
・ アメリカ…ハンバーガー、ホットドッグ
・ メキシコ…タコス、ブリトーなどトルティーヤという皮で包む
・ フランス…クレープ、フイユタージュ(パイ生地)
・ その他…ピザ、サンドイッチ、ピロシキなど
「包む」食べ物は世界中にあり、また国際的に広まっている。現にこの上記のもので日本で食べられないものはない。
Aなぜ「包む」のか 「包む食べ物」の起源から探る
・ 点心…麦作地帯である中国北部での、小麦粉を使った料理として作られる。
・ おにぎり…
平安時代:屯食(貴族が宴会などの時に屋敷で働く人のために配れた応急食)
戦国時代:武士の戦時の携帯食
江戸初期:乾燥海苔の発明→飯を包む
・ クレープ…フランスのブルターニュ地方で数少ない栽培可能であった穀物・サラザンというそば粉を使った食法として生み出されたがレットが元になっている。ロシアのブリヌイという料理はこれとよく似ている。
・ サンドイッチ…有名だが、1792年イギリスのサンドイッチ伯が賭け事に夢中になり、食事の時間をも惜しんでパンに肉を挟んで食べた。
など、いろいろな起源より
「包む」=1.主なエネルギー源となる麦、米などを食べる手段
2.簡易食としての役割
3.「包む」こと自体の面白さ
B「包む」料理=ファーストフード? ⇔ スローフードとしての「包む」料理
* スローフード:1986年イタリア人のカルロ・ペトリーニがファーストフードの対立概念として提唱。以後彼はスローフード協会を設立。@消えつつある伝統的な料理や質の高い食品を守る Aそれを生産する小生産者を守る B消費者全体に味の教育を進めていく、という運動を行っている。
たとえば、丼もの、パスタ(麺)、パンものも「包む」食べ物といえるが、スパゲティーなどは簡易食としてのものもあるが、伝統的、質の高い料理としても成りうる。つまりファーストフードにも成り得るが、スローフードとしても見なすことができるのだ。つまり「包む」料理=ファーストフードではなく、ファーストフードとして「包む」料理が発展したのではないだろうか。
C包むもの(シニフィアン)と具(シニフィエ)の関係
それぞれの土地の生産物からなる皮 × 具の多様性 = 無限のバリエーション
世の中は「包む」食べ物だらけ→「包む」行為は人間にとって普遍的なもの
包まない食べ物=一日の中で主となる食事 たとえば夕ご飯
また、「包む」食べ物が普遍的なら、それと対立する包まない食べ物は日常からの逸脱となる。
Dまとめ
「包む」ことは人間にとって普遍的行為であり、そのため「包む」食べ物は他の食文化あからも受け入れやすい。お寿司が国際的になり得たのも、「包む」食べ物であったため。
* おまけ―最近の流行の「包む」食べ物
・ 生春巻…ベトナムの春巻
・ ケパブ(ギュロス)…トルコの料理
3.橋本さん・福島さん・山下さんの発表『World Musicとしての日本音楽』
音楽には解釈するコードというものがあって、そのコードは文化によって異なる。
@地域的な差異
A時代性…時代によってどう違ってきたか
* 言葉のちがい
@「作曲」=・compose :構成する
・節づけ(昔日本ではそう言っていた):言葉がメインで節(リズムやメロディー)はあとからつける
この時点で、日本語の「作曲」の捉え方と、英語での捉え方に違いがでてくる。
A「ウタウ」
・ sing(英語)・singen(ドイツ語):ギリシャ語が由来している。「声を発する」という意味
・ chanter(フランス語):ラテン語に由来。「鳴く」という意味
・ 漢字 「詠」:言葉を永くする。
「謡」:言葉を細くのばす
「歌」:可(折り曲げる) ×2 + 欠(口を大きく開く)…声に抑揚をつける
「ウタウ」という語が「打つ」からきてるという説があるが、拍子を「打つ」から「ウタウ」という言葉ができたとは考えにくい。
*「ウタウ」の語源と考えられる語
「ウタタ / ウタテ」:恋をする
「ウタガウ」:ウタ交(カ)フ ウタ=自分の意志 交フ=人に伝える
=自分の気持ちを人に伝える → 発話活動
発話活動がウタにつながる → 世界と同じ考え方
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